「あのさ、あず…」
「ん⁇」

うまく言えるだろうか。

いや、そんなのどうだっていい。

「俺…ずっとお前に…隠してたことがある…」
「隠してたこと⁇」
「ああ…あのさ…」
「うん」

あと少し。

「俺ね、あずのこ…」
「あれっ‼︎北見君‼︎⁇」

おいー‼︎‼︎

「あー…ども…」

誰だっけこの女の子。

てか、タイミング悪‼︎

空気読めよ。

「え、もしかして彼女さん⁇」

この女の子、確か前に駅でいきなり話しかけられた子だよな。

偶然かこれ。

しかも俺の名前覚えてくれてんのか。

「彼女って言うか…」
「彼女さん、超可愛いねっ」

人の話最後まで聞けー‼︎

こいつ絶対KYだろ。

KYでいじめられてたやつだろ。

「あの、なにしに…」
「なにしにって、私ここでバイト始めたのよ」

マジかよー

つか誰だよこの人。

めっちゃ親しげに話されちゃってるしー

あずの目もこえーし

「あ、あず」
「はい」
「…ここ…出ようか」
「…はい…」

すると

「もう帰るの⁇ゆっくりして行けばいいのにー」

『いや、あんたがいるからゆっくりもなにも出来ないから』

とは言えず…。

「ごちそうさん」

それだけ俺は言ってあずの手を引っ張った。