side 京

「なんだったんだろーな」
「うん…」

少し恥ずかしかったわ…。

そうだよな。

俺、ちゃんと伝えないとな。

今までなにを怖がってたんだろ。

あずを失うって決まってたわけじゃないのに、そう思い込んでて…。

それって結局姉貴が言うように、逃げてたんだよな…。

そっちの方がかっこわりぃ。

みんなは俺を完璧だと思ってる。

でも本当は全く違うんだ。

ただ隠してるだけ。

実際は、一人じゃなにも出来ない。

あずにただ、気持ちを伝えると言う簡単な事をすればいいだけなのに
これまでどのくらいの人の力を借りた⁇
どれくらいの人からこう言うこと、言われた⁇

何人の人のアドバイスをもらったんだよ俺…。

本当、自分が弱くて情けねえ…。

さっさ伝えねーと…

失うって決まってたわけじゃない。

伝えたとしても、失わないかもしれない

と言うか、失わせない。

たとえ失いそうになったとしても、また俺が蘇らせる。

ずっとあずの側にいたい。

この笑顔を、一生守りたい。

俺じゃなきゃ、だめなんだ。

分かってくれよな…あず…