「ね、ねぇ‼︎い、一緒に遊ぼ…」

「…ヤダ。なんでカノンちゃんなんかと遊ばなきゃいけないの」

「えっ…」

「あっち行ってよ」

「ご、ゴメン…」

なんでかな

なんで私だけ仲間はずれなのかな

「カノンちゃん?1人でどうしたの?」

「えっ…えと」

「1人なら、一緒に遊ぶ?」

「…うん‼︎」

そうやって声をかけてくれたふたつうえのお姉さんも結局は私を仲間はずれにした。

「カノンちゃん嫌い」

「…」

どうしたら好きになってくれるの?

私はいっぱい小説や漫画を読んだ

皆に好かれる人になる為





そして時が流れ気付けば嘘吐きになってた。

始めは自分の気持ちを隠して聞かれることに全てYesで答えてたけど。

それでも嫌われて

だから明るい優しい人になった

…フリをした。

そうして私は嫌われなくなった

「カノン‼︎遊ぼう‼︎」

「うん‼︎何する〜?」

「鬼ごっことか?」

「えー私足遅いよー」

「大丈夫だよ」

ほら、大丈夫。

皆声かけてくれるもん

嘘吐きなの、ばれてない



あれ?

嘘吐いたってなんも思わない

≪嘘を吐いてもなにも感じないなんて言う人は怪物よ≫

…怪、物?私が?


そうして私は嘘吐きの怪物になってた

楽しいも、悲しいも、嬉しいも、なんも無い、シロクロのセカイ


けど、なんでかな。いつも1人で居るあの子。

凄く、気になるんだ。昔の私と重なってるからかな?


「ねぇ、東さん、なにしてるの?」

「えっ?」

「1人でなにしてるのかなーって」

「えっと…」

「高野さーん」

「あ、はーい

ゴメンね、先生に呼ばれちゃったや

また、後で来るね」

「う、ん…」

東さんは小学校一年生の時と四年生の時しか同じクラスになってないからわからないけど、私が見た限り1人で居る。

ずっと。

先生の話しが終わると、すぐに東さんのとこへ。

だって、もし友達が居ないなら、私が友達になる。

昔の自分と重なる。あの時の私が欲しかったものは、友達だったから

「東さん‼︎」

「あっえっ、と…た、高野さん」

「カノンでイイよ‼︎私、高野花音だから」

「カノン…さん‼︎」

「さんはいらない‼︎」

「か、カノ…ン」

「カノンが言いにくいならカノでもイイよ‼︎」

「カノ、私、東 瑠維。」

「ルイ‼︎」

「…」

驚いた様子で目をパチパチとする仕草が可愛くて、思わず笑ったら恥ずかしそうに睨んで来た。

そうして2人で笑いあった小学四年生の冬。



ルイと会って、一緒に居るようになって、私はほんの少し、嘘吐きが治った。

私は、思った事をズバズバ言う、毒舌な嘘吐きになった。

「なんかカノン性格変わったねー」

「そー?」

「うん…あ、あれからだよ‼︎東さんと一緒に居るようになってから」

「ルイのせいじゃないよ

こっちが本当の私だもん」

ルイと居るようになってから、性格変わったね

なんて言って私から離れた人が数人居た。

けど私は気にしない。ルイが居るから

ルイと会ってから、モノクロのセカイにイロがついた