「半蔵ちゃん、あとは頼むで。素直やないからな」
「あとは頼むって、噛まれてんじゃないか」
「これは甘噛みですー」
「顔、痛みで歪んでますけど?」
「なにを今更、参考書開いてんねん」
「一応、大学も出ておこうと思いまして」
「ああ、そーですかー。守りに入ったな。人生、守りに入ったら終わりやで」
「その後、カフェしますんで」
「タロイモ専門店、タロイモっひー‼」
「いや絶対、流行んないから‼」
「ま、ムリせんとな」
「…」
「まさるらしくやればええ」
「り、がとう」
「ん?」
「ありがとう」
「なんやて?」
「ありがとう‼」
「わし最近、耳が遠なったん。なんやて?」
「もういい‼どこでも行けばいいじゃん‼」
まさるが行ってしまった。
最後に怒らせてしもたな。
「本当に素直じゃないな、君たちは」
「お前には負けるわ」
「ボクらアフロリアンはエイリアン1素直だって評判さ」
「ハゲをアフロで隠してどこが素直やねん‼」
「それを言っちゃー‼」
雷が落ちる。
やがてその雷も。
消えてなくなった。