「起きろ~っ!」


オレンジに水玉が飛び交うカーテンが、思いっきり開けられ、光がベットに差し込む。


「何なのよ!お兄ちゃんっ!」

起きたての私は、イライラをクッションにぶつけ、お兄ちゃんに投げる。


「バ~カ!何処狙ってんだよ!」


可愛らしいリボンを付けた、犬のぬいぐるみを軽々と避ける。

元哉(もとや)=私のお兄ちゃんだ。

チャラ男で、変態野朗。


「変態が!もう来るなっ!」


とどめに、ミニーちゃんの貯金箱を投げると、ふわりと宙に舞い、お兄ちゃんの頭に当たった。


「いって~!お前、手加減を知らないのか?」


確かに、痛そう。涙目のお兄ちゃんを見て、少し申し訳なくなった。


「ってか、そうそう。」

急に用件を思い出したように、私に話し始めた。