「ほんとに気持ち悪い。
なんで男なのにこんなに
料理ができるんでしょう。
そのギャップに私は引きます。」

海澤の悪口を言いながら
唐揚げをパクパク口に
入れていく私を見て、
海澤は笑っている。

「お前、言葉と行動が
あってねぇーぞ。
まぁ褒め言葉として受け取っとく。」

別に褒め言葉ってわけじゃない。
はぁーと少し私はため息を
つき何も言わなかった。

海澤は何も食べずに
私の食べる姿をみてるだけ。
ちゃんと海澤の分の
ご飯もあるのにもったいない。

「私を見てないで、
食べたらどーですか？」

そんな私は変な食べ方
してないと思うけど。

少し箸を止めて考えて
いると海澤が自分の箸で
唐揚げを刺して私の口元に持ってきた。

「俺はいいの。
お前食べ方綺麗だから
見てたいんだよ。
ほら、あーん」

そんな綺麗に食べてないと思う。
てか、なんでこいつから
あーんをされなきゃいけないのだろう。

だけど、唐揚げが美味しそう。