「まだ、連絡はしてない。」

寝不足のことはもう、
聞いてこなかった。

「わっ私が自分でします!」

母にかけられたら、
たまったもんじゃない。

「…そーか。
じゃあ自分からしといてくれ。
後、夕飯の支度ができたから
食べるぞー。」

そう言うと私を抱っこして
リビングまで連れて行った。

「抱っこする意味が
分からないんですけど…。」

一応頑張れば歩けるし。

不服そうな顔で私が言うと、
爽やかな笑顔で返してきた。

「そんな怪我してたら歩くの
大変だからなあ。
別に抱っこごときで
そんな顔するなって」

あぁ、少しこいつが
モテる意味が分かった。

この爽やかな笑顔だろう。