ナ「2日後、ピュグマリオンとの戦争が行われた。


今の現状は五分五分、先に押して攻め込んだ方が勝利を手に出来るような状態である。


互いのトップは大きな動きを見せず近場の敵をなぎ倒している。」


ク「アーテ。」


ア「なんでございましょう、兄様。」


ク「俺はここを離れて敵陣へ攻めてくる。」


ア「ならば私も!」


ク「だめだ。」


ア「なぜですか!一人でも多い方が確実!勝率も上がります!」


ク「だめだ!お前はここのトップだ。ここにはいなくちゃいけない人間。・・・せめて俺が行って敵の動きが乱れてから来い。」


ア「それは飲み込めないお話です!」


ク「ヘラクレス。」


ヘ「・・・姫様の気持ちも察してよ。僕もクレイオスさん一人は反対だ。」


ク「なら・・・お前ら二人とも俺に鍛錬で勝てたことあったか?」


ア「・・・ないです。」


ク「だろ?大丈夫、何があっても俺は戻ってくる。」


約束したろ?とアーテの頭を撫でる。


ヘ「そんなの・・・!」


ク「ヘラクレス、アーテを頼んだ。」


言葉を遮り、眉を下げながら笑ってみせる。


ヘ「・・・っ(ずるいよ、そんな笑み。断れないよ。)」


ク「ありがと、ヘラクレス。いってきます。」


くしゃりと俯くヘラクレスの頭に手を置く。


ア「死ぬことは許さないですよ!兄様!」


ナN「返事はせず手を軽く振り馬に乗って戦場へと走っていった。


その姿を不穏な風がかき消した。」