ク「・・・・・・」


アーテの体から小刻みに震えてるのを感じ言葉が出ない。




クN「死なない。なんて約束は出来ないご時世。


命の約束などとても脆いもの。


絶対なんてない。


だからこそ、


不安を和らげてやる。


そのくらいしかできないから。」



ク「・・・アーテよく聞け。」


無言で頷く、その表情は読み取れないけど、きっと真剣だろう。


ク「死なない、なんて約束はできない。」


まわされている腕に力が入る。


ク「だけれども、俺はこの約束だけはしよう。





必ずお前の元へ戻る。





と。」


そう伝えると顔を上げ揺らぐ瞳がクレイオスの顔を映す。


ア「あに、さまっ・・・」


ク「情けない顔するな。ヘラクレス。」


ヘ「なんでしょうか。」


呼びかけに答え近くの角から素早く近づいてくる。


ク「俺は戦場でアーテから離れる。わかっていると思うがアーテを頼んだ。」


ヘ「もちろん、その命は果たしますよ。」


ア「私は、兄様のお側で兄様と共にできないのでしょうか?」


ク「お前はこの国の主、俺一人の側にいるよりももっと守るべき大きいものがあるだろう?」


ア「・・・はい。」


ク「わかったなら支度をしろ。2日後だろう?必ず勝とう。」


ア「!・・・はい!」