ア「兄様ーーーー!」


城へ戻るなり全力で駆け寄ってくるアーテ。


ク「そんなに廊下を走るな、また転ぶぞ。」


ア「私はそんな失態・・・!」


いったそばからツルッと足を滑らす。


衝撃に目をきつく瞑るが、衝撃が来ない。


ク「ほら見ろ、馬鹿。」


ア「あ、兄様っ!///」


優しい声に気付くとクレイオスの腕に抱かれていることに気付き顔を赤くする。


ク「全く、お転婆するのもほどほどにしろよ?怪我したらどうするんだ。」


ア「申し訳ありません・・・」


よいしょっとっ立たせる。


ク「で、ヘラクレスから聞いたけど何で呼んだんだ?」


ア「それが・・・」


アーテの表情が曇る。


ク「戦争か。」


ア「っ!」


その一言にビクッと肩を動かす。


ク「アーテ、俺だって剣士である以前にこの国の兵士でもある。闘わないわけにはいかない。」


ア「ですが・・・」


ク「何を恐れている。言ってみろ。」


ア「・・・この旅の戦争の相手はあのピュグマリオンです。いくら兄様が強かろうとも私心配です。」


ク「ピュグマリオンか・・・確かにきついな。」


ナN「ピュグマリオンはここ数年で格段に戦力を挙げてクレイオスの軍と並ぶ強さになっている。


相手にするには戦い方的にも戦いにくい相手である。」


ア「・・・・・・兄様。」


クレイオスに抱きつき腕を背に回す。