夜に、――――。


夜にまた、会えるんじゃないかって。


いつものように、飛鳥が訪ねて来るんじゃないかって。



「飛鳥??」



だけど、ふらふらと家にやってきたのは、奏多。



「連絡取れないんだけど。」


「飛鳥なら、亜澄ちゃんとこ行ったよ。」


「そうなの?」


「何、お前。聞いてなかったの?」


「電源、切れてんだよ、飛鳥の携帯。」


「喧嘩でもしたのかよ。」



妙に嬉しそうに笑う奏多が癪に障る。



「してないし。」


「へえー。」


「碧が。

飛鳥、元気なかったっていうからさ。」


「いやあ?普通だったぞ?」


「あっそ。」



それならいいんだよ、元気なら。



まさか、――――。



飛鳥が思い詰めてたなんて、知りもしなかった馬鹿な俺。