「もう、どうでもよくね?

ずーっと、お利口さんの大哉君だもんなぁ。

もう、返上すりゃあ、いいじゃん。

本当は違いまーすって、な。」


「…茶化すなよ。」


「今日、あの子の家庭教師だろ?

帰り、家、寄るの?」


「わかんね。」


「飛鳥、最近ずっと沈んでる。

ストーカーのやつも、かなりダメージ喰らってる。

お前しか、無理なんだよ、大哉。」


「何が。」


「お前しか、あいつを上げられないんだよ。

今日、来いよ。

飛鳥と話してやれよ。」


そんなの、俺だって顔を見たいよ。


だけど、―――。


気を抜いたら、加速していきそうな気持ち。


必死にブレーキをかける俺と、煽るようにぶつかって来る飛鳥。


きっと、俺の気持ちも飛鳥には伝わってるはず。


その上で向かってこられると、俺だって…ヤバい。


つーか、奏多。


お前が煽ってどうすんだよ。