「用が無いなら、帰るぞ。」


むしゃくしゃした気持ちに折り合いがつかなくて、視線も合わさずベッドから立ち上がる。



その刹那、―――。



「うわっ…いってっ!!」



飛鳥の長い脚が、僕の太ももを蹴りつけた。



「何、すんだよっ。」



振り返った僕に、唇を尖らせて睨みつける、飛鳥。



「だったら、女の子のベッドの上に座んないでよ。」


「はあっ、―――?」


「私だって、女の子なの。

好きでもない従兄に、ずかずかベッドに座って欲しくないんだけど。

っていうか、そのパンツでどこ座ってきたの?

駅のベンチとか普通に座って、ベッドにも腰掛けてたらマジでムカつく!!」


「…っ、おいっ。」



思いっきり顔面を狙って、枕が飛んできた。



「大哉くんなんか、大っ嫌い!!」