「可愛い。」
「まじ?」
可愛いと聞けば、食い付きも早くなるのが当然、――。
「飛鳥とは全然違うタイプだな。」
「どんなんよ?」
「ちっさくて、前髪がパッツンで、黒髪。」
「わかりづれーよ。」
「真面目っ子だわな、あれは。」
「顔は?」
「うーん、素材はいい。
あれは将来、化けるタイプだな。」
「余計、わかんねえ。」
「大哉の好みとは違うかもな。
お前の歴代の女、みーんなモデルみたいじゃん?
あの子はどっちかというと、オヤジに好かれるタイプ、だな。」
「ふーん…。」
裕木亜澄の印象は、奏多によって植え付けられて。
実際に、初めて対面した時に、こう思った。
『奏多の言う通りだ。
僕のタイプじゃない。』
って、――――。