「お前、飛鳥に何、言ったんだよ。」


「僕じゃないし。」


「はあ、―――?

じゃ、何で泣いてんだよ。」



何だよ、すっかり悪者になってんじゃん。

どいつもこいつも、僕も……。

結局、みんな、――――。

飛鳥には、甘いんだよ。



「友達ができたらしいよ。」



未だ、飛鳥の泣いている理由がわからずにいた碧に、そう告げて。



「あのね、あおい、くん…っ。」



ズルズル鼻をすすりながら、今日の出来事を、また一から話して聞かせる、飛鳥。



「へっ、―――?

まじか…。

そうか、良かったな、飛鳥。」



碧の目尻、下がりっぱなしじゃん。

小学生じゃないんだし。

…保護者かよ。



僕はその光景を、じっくりと見入る。


飛鳥は僕だけの特別じゃあ、ない。



碧も朝陽も奏多も、――――。



僕らみんなの、妹、なんだ、って心に受け止めて。