「呼び出してどうすんだよ。

その子、何か、言われてんのか?」


「それがね、私には何にも言わないんだ。

だからさ、…多分…。」



黙ったまま、飛鳥から離れていく、―――。


今までの経験からして、飛鳥は少しネガティブに陥っているようだった。


まあ、わからないでもないか。



「直接、聞いてみればいいじゃん。」


「え、――――?」


「じわじわ気にして待つよりも、自分から聞いてみればいいじゃん。

その方が、手っ取り早くないか、―――?」


「何て言えば、いいのよ。」



ちょっとだけ唇を尖らせて、飛鳥は僕に視線を向けた。



「一緒にいるのは迷惑か、でいいんじゃないの?」


「はっ、そんなストレートに聞いちゃうわけ?

飛鳥、お前、そんなこと言えんの?」



心配そうに覗き込む奏多を一瞥して、飛鳥は息を吸い込んだ。



「…聞いてみようかな…。」