「本当ですか?」



「本当だよ!まさか他にもいるなんてびっくりだよ。

なんとなく通りかかったら話し声が聞こえるんだもん。

しかも朝ぶつかった君だったしね!」



彼は猫の前にしゃがみこむと猫を抱き抱える。

猫は嫌がるどころかすぐになついたようだった。


彼は私の方を向く。



「俺、三谷春斗。君は?」



「あ、えっと……小日向 花です」



「そっか。よろしくな小日向!」



「は、はい!」



私の緊張ぶりをみて彼は笑った。


まさかこんな風に誰かとお話できるなんて…あわわわ!


でも



この人が私の初めてのお友達。




不安で仕方がなかった心に、ほのかな自信が芽生えた。