「先輩、前から気になってたんですが、なんでいつも電子辞書持っているんですか?」



秀勝の質問ににやっと口角を上げる玲唯。



「椎名、なかなか目のつけどころがいいね。


これは悠に続く私の相棒!


追加コンテンツで楽典を入れてあるからいつも持ち歩いてるんだよ。」



玲唯が口にした楽典とは、音楽用語の辞書のようなもの。



「先輩、やっぱり音楽大好きなんですね。」




「私の彼氏はイケメンボイスで身長180㎝なの!


だから、当たり前でしょ?」



おどけるように言った玲唯の言葉に苦笑いをみせつつも



「コントラバスの悠さんですね。でも、

先輩、俺も身長180㎝ありますよ?」



秀勝は言ってから気が付いた。



―――俺、玲唯先輩のこと好きなんだなぁ。