2人が歩いて行ってからしばらく経った。



花火を視界に入れながら、ぼーっとしていた秀勝に帆乃夏が話しかけた。



「秀勝くんは、玲唯ちゃんが好きなの?


玲唯ちゃんのことはほら、名前で呼ぶし。」



突然の質問に驚きを見せる秀勝だったが、口を開いた。



「名前は玲唯先輩から、苗字の方は嫌だと言われたんです。


玲唯先輩のことは、そうですね…。


素敵な人だと思いますよ。」



そこで、一度言葉を切った秀勝の顔には優しい笑みがあった。