4人は花火会場に向かって歩きだした。
秀勝は前を歩く帆乃夏を見るが、なんだか様子がおかしい。
「飯山先輩、元気ないと思わない?
浴衣つらいのかな?」
鷹弥に訊いてみると、鷹弥は呆れ顔をしている。
「本気で言ってる?」
「え?元気ないと思わない?」
はぁ、とため息をついた鷹弥は秀勝に答えた。
「学校で2人が待ってるのが遠くからも見えたんだよ。
で、飯山先輩いるのに秀勝は本読んでたでしょ?
まあ、途中から先輩と話してたみたいだけど、
秀勝は、玲唯先輩の前だと本読んだりしないじゃん。
だから、自分と玲唯先輩を比べちゃったんじゃないかな?」