ひとしきり笑った玲唯は玲唯は目尻に溜まった涙を拭きながら口を開いた。



「2人とも試合は?」



それに対して答えたのは秀勝だった。



「さっき、3回戦で負けたんです。


それより、玲唯先輩は試合に出なくていいんですか?


理系なら女子は人手不足じゃないんですか?」



「あー、全然いいの。


私みたいに出たくないなんてみんな言わないから。


それに、私はいいの。


だって、突き指とか骨折したら楽器弾けなくなるでしょ。」



自信満々に言った玲唯に対して、鷹弥は苦笑いを浮かべた。



「先輩、また我が儘言ったんですか?


確かに先輩が楽器弾けなくなるとみんな困りますけど、

クラスの人にあんまり迷惑かけちゃ駄目ですよ。」



鷹弥の言葉を聞いた玲唯は苦虫を潰したような表情をした。