誘う時、クールに装って言ったけれど、内心は心臓バクバクだった。



もし断られたら・・・なんて考えていたけれど、そんな必要はなかったことに安心する。


 あの日から、俺達は確実に少しずつ近くなっていた。

最初は敬語だったけれど、最近では少しずつタメ口も増えてきた。


「じゃあ、すんごい可愛い格好で行って、睦月君をメロメロにしちゃおっ!」


・・・いやいやいや、すでに俺はメロメロだし。


心の中でそう呟いて、クスリと笑う。

 彼女が不思議そうに、俺を見た。


「なーにっ??」


口元を押さえながら、俺は彼女を見た。





「いや。なんでもないッスよ」