「なぁ、何ナンパされちゃってんの」



え!?

あれ、ナンパだったの…?



人生初のナンパに、私は驚く。




「返事は?」


「ごめんなさい」


声の低さからして、まだ怒っている。



「しかも、何かっこいいとか…」


でも、次に聞こえた言葉からは怒りを感じなくてむしろ弱々しかった。



見上げようとすると「見んな」と言って、抱きしめる力を強くする遥斗先輩。



「だって、本当のことだから…」


遥斗先輩はその辺の男の人よりも、断然かっこいいと思う。