「ところで、イチゴ。 新商品が出たんだけど、お前にサンプルをあげようか」


店長さんは、小指くらいの大きさの小さな黒色の瓶を、私に差し出した。


「え? いいんですか?」


「いいよ、アンタは常連だからね。 ちなみにそれ…悪魔を殺す薬だよ」


それを聞いた瞬間、チョコの体が固まった。


「わー。 こうゆうの欲しかったんだー」


「今までにないってくらい瞳を輝かせんなよ!! やめろ! 俺にそれをかけようとすんのはやめろ!! かけるのやめて飲ませるなって…ああああああ!!」


魔女の道具屋から、悲鳴が出たが、雨と雷の音でかき消された。


「いいいいい…いつからホラーになったんだ…ゲハッ!!」


「あれ? 店長。 血吐いただけで死にませんけど」


「それはサンプルだからね。 致死量にはならないよ。 でも、効果はあるみたいだね」


私が舌打ちすると、チョコが起き上がって、ギャーギャーわめいていた。


カウンターの上の方に、私が持ってる瓶と同じだが、大きさは十倍はある、“悪魔を殺す薬”が、ラミネートフィルムで作られたようなもので、“新商品”と書かれていた。


値段は百万M。
Mは、円にそのまま変換してくれれば助かります。