思い出したら、少しクスリと笑ってしまった。


チョコ…いつ帰ってくるんだろう。
枕に顔を伏せていると、ドアをノックされる音がした。


ドアを開けてみると、そこにはチョコの姿があった。


「…どうしたの?」


チョコは、ニコッと笑って言った。


「終わったよ、仕事」


「はっ!?」


こんなに…早く?
一日も経ってないんじゃない!?


「ミューが…人間の魂と契約する仕事は何年もかかるって言ってたんだけど」


「俺、人間の魂と契約するなんて言ってないけど」


「…へ?」


「人間の願いを叶えるために、何かをもらうってだけ。 魂と契約する仕事は、もっとベテランになってからだよ」


そっか…。 そりゃ、そうだよね…。


「みてみて! これもらったんだ!」


チョコが出したのは、四角いもの。


「なにこれ?」


「ルービックキューブ! 流行ってんだって」


「…何年前の話よ」


まったく、人騒がせな。
私は小さくため息をついた。


「俺、今回の仕事が出来たら、魔王様にいっこ、願いを叶えてもらえるんだ」


「…そうなの?」


「だから、魔王様に言ってきた。 ダークを、イチゴに近づけないようにって。 1キロメートル以上近づけないように、ダーク自身に決壊張ってくれたんだ」


「…自分の初仕事の手柄を、私のために使っていいの?」


「うん、本当は…両親を生き返らせれたら一番いいんだろうけど、それは、無理なんだって。 一度亡くなったひとは、どんな理由があっても、生き返らす事はできないんだって」


チョコは少し、シュンとした表情で言った。