風呂と着替えをかしたあと、布団で豪快に眠ってしまった。


「あのさ、イチゴ。 ダークってやつに悪さされたってほんと?」


ジャックがそう言うと、私は頷く。
多分、詳しい理由は知らないんだろうけど、言うつもりもなかった。


「俺、ダークの事知らないんだけど、ダークの友達に聞いたんだよ。 ちょっと前に“あと一個大きな仕事をしたら、出世できる”って言ってたって。 こんなの、イチゴに言う話じゃないかもしれないけど…」


「ううん、多分…理由はそれなんだろうね」


両親を殺して、私の願いをかなえるのが…ダークにとっての仕事だったんだ。
それが罪になる事はこの世界ではありえない事なんだ。


「それにしても、コイツよく寝るな」


ジャックが悪魔の子の頬をぎゅっとにぎると、悪魔の子は少し唸っていた。


「この子、なんか変だよね」


「変って?」


「うん、なんか…」


平気、だった。


ダークの件で、悪魔っていう種族が苦手になってしまった。
それは、さっき気づいてしまったんだ。


「悪魔っぽくないっていうか」


そう言うと、ムクリと悪魔の子が起き上がる。


「それ、どうゆう意味だよ」


また、睨んでくる。


「別に、深い意味はないけど」


「俺は落ちこぼれだからな。 一人前の悪魔なんてほど遠い話なんだよ」


それだけ言って、また布団をかぶってしまった。
ふて寝のように、こちらに背を向けて寝ている。


「そっか…、じゃあ私と一緒だね」


きっと、似た者同士だからかな。
この子の事が恐くないのって。