「イチゴ?」


後ろからひょっこりと現れたのは、ジャックだった。
心配でおいかけてきてくれたみたい。


「…誰、その子」


「さあ?」


悪魔の男の子は、悪い目つきをさらに悪くして、睨んできた。
すっと立ち上がると、無言で背を向けて、歩きだそうとした。


体力を消耗したのか、3歩歩いたところで倒れてしまった。


「大丈夫?」


ダークが心配して声をかける。


「大丈夫だっつーの!」


キッと睨んで、また無理に立ち上がり、倒れる、の繰り返し。


「ねえ、ちょっとうちで休んでったら?」


そんな様子を見せられたら、ほっとけるわけない。
そう思って声かけたのに。


「うるせえな! ほっとけよ!」


「子供なら子供らしく甘えときなさいよ」


「子供じゃねーっつの!」


「…素直じゃないガキね」


「ガキでもねえ!」


そんなやりとりをしてたら、後ろからジャックの声がした。


「めんどくさいな」


そう言って鎌を取り出し、悪魔の子の首まで振りかざし、数ミリ差でピタッと止めた。


「言う事聞きなさい」


と、ジャックが言うと


「…はい。」


青ざめた悪魔の子がそう言った。