「じゃあ、私先帰るね」


そう言って、二人に手を振って、空を飛んだ。


「アイツ、本当に殺してやりたいね」


そう言うトマトの頭を撫でた。


「イチゴ、私もミューと同じ意見だよ。 チョコはアイツとは違う」


「うん、分かってる…」


分かってるのに。ダークの存在じたいが怖くて。
悪魔という存在が嫌いで。


頭では分かってても、無意識に嫌がってる。


でも、そんなダークを心の底から憎めないのは、“借り”があるから。


そのために失ったものを、取り戻せないとしても…。


それは、大きな“借り”だった。


「悪いのは、全部私なんだよね。 私があんな事を、ダークに言わなかったら…」


「イチゴのせいじゃない」


そう言うトマトの頭を撫でて、私は、魔女の道具屋の裏にある洞窟に向かった。


ホウキから降りて、そばにある木を見つめる。


「はじめてチョコと会ったの、ここだったね」


私はその木に、そっと手を添えた。






THIRD☆END