「俺は悪魔だ。 ただ願いを叶えるだけの、優しい天使とは違う」


ダークはそう言ってミューを見た。


「望みを叶える変わりに、“何か”をもらう」


「何かって…」


ミューは、つぶやくようにそう聞く。


「魂さ」


ガツン、と、頭を殴られたような感覚がした。


あの日の事、思い出したく無いあの情景が、頭に浮かぶ。


「イチゴは、自分の両親と引き換えに、魔力を手に入れた」


ダークは、クスリ、と笑ってそう言った。
おびえた私の体を、ミューが支えてくれた。