「ああ、イチゴなりの見送りスタイル? 面白いねー」


パチパチと拍手するジャック。


早くどけよっと言うチョコ。
心配そうに見てるミュー。


私は足をどけて、チョコが立ちあがって、体についた砂を掃っていた。


「頑張って、きなさいよ」


そう言うと、チョコは『まかせとけ!』と言って、大きく手を振って、扉を開いた。


スウッと吸い込まれるように入ったチョコの体は、もう見えなくなっていた。


「行ってしまったね」


トマトも、寂しそうにそう言った。




「落ちこぼれが、落ちこぼれを応援か。 類は友を呼ぶってやつ?」


隣を見ると、そこにはダークが立っていた。


トマトは毛を逆立てて威嚇するようにダークを睨んでいた。


「トマトじゃん、久しぶりー」


トマトが怒ってることも気にせず、陽気に挨拶している。


ミューがツカツカとこちらに向かってきて、私とダークの前に立った。


そして、ダークをキッと睨む。


「なんなの? お譲ちゃん。 何か俺に文句でもあるのかな?」


ニヤリと笑い、ミューの顔をのぞきこむように見る。


「あります! 誰かは存じませんが、これ以上、イチゴちゃんと怖がらせないで下さい!」


ミューがそういうと、ダークはクスクスと笑いだした。