「いなくなるって、仕事にい行くだけでしょ? 終わったら帰ってくるでしょ」


ミューは否定するように首を振った。


「人間と契約なんて、すぐ出来るわけないんだよ? ベテランの人でも、一年はかかるって」


「そんなに?」


ミューは頷いた。


…知らなかった。
じゃあ、チョコはもっとかかるよね。


空を飛べるようになったばかりだもん。


しかも、ビビリで小心者のアイツが、人間と契約なんて出来るわけ無いし、何年かかるんだろう。


「イチゴちゃんも、寂しいでしょう?」


「……そうね」


無意識に出た言葉。
アイツは悪魔なのに。


なんで、こんなに寂しいんだろう。


「チョコくんね、心配してたよ。 イチゴちゃんの事。 魔王様のところへ修行しに行ってる時も。 私も、だけど」


私は笑って、ミューの頭を撫でた。
ダークと会った瞬間から、私はおかしかった。


みんなに迷惑かけちゃったな。


「明日ね、チョコくんの見送りに行こうと思ってるの、イチゴちゃんも一緒に行こう?」


私が頷くと、ミューは嬉しそうに笑った。