「何笑ってんの? 気持ち悪いやつ」


「あんたより気持ち悪く無いわよ」


そう言うと、チョコはニコッと笑った。


いつもなら、不機嫌そうな顔をするか、怒ったりするくせに。


今日は、何か変。


「そうそう、俺。 仕事決まったんだ!」


「本当?」


この世界というのは、能力が一定条件に満たないと、仕事を与えて貰えないのだという。


やっと空を飛べるようになったチョコの、初仕事だ。


チョコは仕事の内容が書いてある紙切れを、私に見せた。


そこには、“1人の人間と、契約して来い”だった。


契約といのは、人間の願いを叶えるかわりに、魂を頂くというもの。


初仕事にしては、かなり荷が重すぎる様な…。


「俺、頑張ってくるわ!」



そう言って、チョコは笑った。


「出来んの?」


「おーよ! 薬つくるなら得意だぜ?」


それ、悪魔の力じゃないし。


私が呆れた様な顔をすると、チョコは大丈夫だって、と私の肩に手を置いた。