「ミューじゃない。 久しぶりね」


この子はミューといって、天使の女の子。
ミューはモジモジして、何故か顔を赤らめている。


「えと…イチゴちゃん。 こんばんは。 あの、チョコくん来てる?」


「来てるわよ。 もって帰ってくれるの? 優しいなー。 ミューは天使みたい」


みたい、じゃなくて天使だろ。と呟くように唾を吐きながら言ったチョコの頭を、掃除機で吸い取った。


「いた、いたい!! 髪抜ける!!」


あまりにもうるさいので、掃除機のスイッチを切ってミューの方にチョコを放り投げた。


ミューはビクッとして、チョコを心配そうに見ている。


「あ、あのう…。 チョコくん、大丈夫?」


「くそー。 悪魔の俺が、魔女に軽くあしらわれるなんて、名誉毀損で訴えてやる」


ブツブツ言うチョコをミューがなだめる。


「で、ミューは俺に何の用だよ?」


「え! あああああ、あのその…」


顔を真っ赤にしてモジモジするミュー。


…これはひょっとして、もしかして。