「私は人間界に行くからアンタもついてくれば? アンタがほしいって言ったんでしょ?」


「そそそそそそ…そうだけどお…」


イライラする。私は人差し指を付き出して三回転させた。
すると、チョコはあっという間に眠ってしまった。


「いいのか?」


ジャックはそう言うが微妙に笑っている。


「いーの。 うるさいんだもん、コイツ」


「何だかんだで、かまってやってるクセに。 悪魔嫌いなお前が、よくやるよな」


そう。私は悪魔という存在が、一番嫌い。
理由は……話したくない。


だけど、チョコはなんだか他の悪魔とは違う気がする。
…でも、悪魔は悪魔。好きにはなれない。


私はチョコを、縄でホウキに固定した。


ジャックが言う、オススメの近道を通って、人間界へとやってきた。


ジャックは、死んだ者しか姿は見えない。
私とチョコは人間には見えてしまうので、人間に見えるように魔法をかけた。


もちろん、チョコも。