行ってみたい所………か。と言ってもまだどこに何があるか全然把握できてないんだけど。
『はいはいっ!私遊園地行きたい!』
『だーから、あそこは駄目なの。それ以外ならどこでもいいよ』
シオリの意見は速攻却下されていた。
遊園地はカシワギ組の縄張りなんだっけ。だからその近くでさえ誰も寄り付かない。
『‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐行こうぜ』
そんな空気の中、この言葉を言ったのはゲンタだった。
『『…………え?』』
みんなの声が一斉にハモる。
『行かなきゃ分かんない事もあるじゃん?
だから行こうぜ、遊園地』
何故かゲンタは不機嫌そうに、黙々と出掛ける準備を始めた。
『………な、何言ってんの?ガンちゃん』
『………』
同じムードメーカーのユキが近寄っても、ゲンタは準備する手を止めない。
『ガンタ』
『ガンちゃん』
ノリとアンナも止めようと声をかけるけど、部屋の雰囲気は変わらなかった。そんなゲンタの手を掴んだのは…………
『……………おいっ!』
リーダーだった。
『お前なに言ってんだ。あそこに行くって事がどうゆう事か分かって………』
『うるせーよっ』
ゲンタがリーダーに歯向かう姿をはじめて見た。
ダイキ組の中でこの二人は特に信頼し合っていたのに………。