美術館の中に入ると、言葉にならない程の重苦しい空気が漂っていた。
洋風作りの建物、高い天井、高級なシャンデリア、甲冑の置物。そして…………。
数えきれない程の絵画が綺麗に壁に飾られている。
多分、有名な絵なんだろうけど俺にはさっぱり分からない。そんな中Mはどんどん先へ進んでいく。
『おい、待てよっ!どこ行くんだよ?』
この空間ではやたらと声が響く。俺は遅れをとらないように足早に後を追い掛けた。
つーかこの美術館なんで誰も居ないんだ?
入り口からここまで誰一人として中には人が居ない。平日って事もあるんだろうけど、これだけ大きな美術館だったら普通従業員や警備員ぐらい居るよな?
長い、長い廊下は真っ直ぐにどこまででも続いてる
右を見ても絵、
左を見ても絵。
なんだろう、この感じ。
息が詰まりそうだ。