そして、俺を睨みつけたあと、天羽さんは颯爽と去って行った。

 俺はというと驚きで固まっていた。
 なんせ天羽さんはクラスメートであり、クラスで一番可愛いくて、すごく気が利く娘で、大人しい娘だからだ。
 だから、あんな暴言をはきながら強烈なパンチを放つなんて思いもしなかった。
 多分、クラスの人に言っても誰も信じない。
 逆の立場なら俺も信じないだろうし。
 むしろ今見たものが全部俺の妄想でした、とした方が納得もいく。
 でも、きらめく本日のハイスコアが、「これは現実だぞ」と語りかけてくる。
 現実……だったんだよな。
 俺はあまりにも衝撃すぎてしばらくの間立ち尽くすのだった。