そこにいたのは、光の化身だった。
 彼女は太陽のように暖かくて。
 眩しくて。
 身体の内側に巣くうなにかが荒れ狂う。
 まるで、悪いなにかが浄化していくようで。
 彼女を見ると苦しくも、切なくもなる。
 俺には毒だった。
 と、同時に心地良くもあったから不思議だった。

「君は、わたしを守ってくれる?」

 彼女は不安げだった。
 蒼い大きな瞳が揺れていた。
 澄んだ青空のように綺麗だった。
 僕は一瞬で虜になった。

 彼女が手を僕に伸ばす。
 僕はまるでなにかとりつかれたように、一心不乱に、彼女の手を掴もうとする。
 思い通りに身体が動かない。
 でも、僕は夢中になって、縋るように手を伸ばした。
 そして、彼女の手を掴む。
 想像していたよりそれは柔らかで。
 なによりも。
 暖かった。