「東野さん、焦げた臭いしよるけど大丈夫なん」


「わッ!やっべ。サンキュー!レイ」



慌てたようにカウンター奥のキッチンに戻る東野さん。


あちゃーと顔をしかめている。


どうやら料理はダメになってしまったらしい。


……自業自得やな。


また助けてくれたレイと目が合ってドキッと胸が跳ねた。


どこか不機嫌な眼差し。



「あんな変態おっさんは適当にあしらっとけばいっちゃん」


「……次からそーします」



私たちの会話に「こらー聞こえとるっちゃけんなお前ら」と東野さんが笑ってる。


さすが狭い店。


ぷっと笑うと同じことを思ったのかレイも笑った。



「ねーねー?二人って幼馴染ってほんとなん?」



私とレイの二人だけの雰囲気に割って入るようにしたのは真理ちゃん。


そうだよと返事をしたのはレイだった。