レイと真理ちゃんは、どうやって出会い、どうやって恋に落ちたんだろう?


私の知らないレイとの時間が、ふたりにはきっとあるんだ。


そう思うと、やっぱり胸が切なくて、痛くなる。



「はい、真理。お待たせ」


「えへへ!ありがとう。麗矢も手伝いなんかせんで座って話そうよっ」



真理ちゃんの可愛いワガママに仕方ないなって顔で笑って座るレイ。


……好きな人の特別って幸せかな。


真理ちゃんはすごく幸せそうな顔で笑っている。


誰でもあんな風に好きな人から目を細めて大切そうに見つめられたら幸せか。


……私、笑えているんやろうか。



「楽しんどる〜?」


「ひ、東野さんッ」



その時。突然顔を覗いて来た東野さんに驚いた。



「やべぇ〜サクに名前覚えられた〜っ!うれしか〜っ!」



ふにゃふにゃと力の抜けた東野さんの笑顔に、あははと乾いた笑い。


ふざけてるのに、大人の色気がムンムンしているのは、なんだか癪に触る。



「やっぱり俺の彼女にならんか?」


「……なりませんて!」


「がっくし。つかサクまじで可愛いから食べちゃいたいんやけど」



な、なんてこと言うんや!この人!


しかもがっくしって効果音口で言っちゃってるよ!!