私はと母はその公園にはよく行っていたし、レイも遊びに来ていたから、仲良くなることはそんなに難しいことでもなかったのかもしれない。
母親たちも同じ年の子供がいると共通の話題もあるだろうし、家族ぐるみでの付き合いが始まるのにもそんなに時間はかからなかった記憶がある。
「はい、ジュース」
昔のことを思お出していると目の前に差し出されたオレンジジュースが入ったグラス。
東野さんと痴話ケンカしながらもジュースや出来上がった料理を運ぶ手伝いをしているレイは、なんだかんだ優しい。
「ありがとう」
何気なく受け取ると、ふと私を羨ましそうに見る真理ちゃんの視線に気がついた。
「麗矢、真理には……?」
「ちょっと待っとって」
真理ちゃんの言葉にレイがカウンターの方に向かって行く。
……え、私の方が先にもらってよかったん?
真理ちゃんと目が合うと、ぱっとそらされて胸が痛くなった。
レイの彼女が真理ちゃん。
レイの特別な人の真理ちゃん。
それに引き換え、私はただの幼馴染。
なんて言っても一緒にいた時間なんて、ほんの3年ほど。
離れていた期間のほうが断然長い。
でも短いながらに、たくさん思い出が詰まっていて、間違いなくレイは私の心の中にずっといた。