レイが苦しそうに顔を歪めて、私の拳を受け止める。



「レイっ、答えてよ……!!」



小さい頃、レイが苦しんでいたのは知ってる。

死ぬかもしれないと、闇を抱えていたのも知ってるよ。


……私にも、背負わせてよ。


私に教えてよ、ちゃんと。



「サク」



殴り続けていた私の手を取ったレイはそのまま私の手のひらを自分の心臓に押しつけるようにしてみせた。


……レイ?



「俺の心臓はちゃんと治ってる。ウソなんかついとらん」



ドクン、ドクン、ドクンッ……。

……レイの心臓の振動が、手のひらからちゃんと伝わってくる。


ちゃんと動いてる。



「不安にさせてごめん。大丈夫やから……な?」



私の身体を包み込むレイの身体と腕。