懐かしい記憶をたどるレイの表情はどこか儚げで、切なくて、優しい。
「はい。これ、あげる」
できあがった花かんむりを私の頭に乗せる。
……ドキンッ!
「花嫁みたいやね」
「花嫁って……っ」
頭の中でレイとの結婚式を想像してみた。
純白のドレスに身をまとった私と、タキシードをばしっと着こなすレイ。
真理ちゃんや圭都が笑顔で祝福してくれとって……。
そして指輪交換をして、みんなの前で永遠を誓ってキスをするの。
……すごく幸せやなって思った。
「レイと結婚なんて……夢みたいやん……」
「夢やないし」
……え?
レイが私の左手をとる。
そしていつの間につくったのか、小さな白詰草の指輪をそのまま薬指に……。
レイ……?
「夢やなくて、現実な?」
「…っ……」
「いつか絶対、結婚しよな?」