それから、私の非日常は日常に戻りつつあった。
「美里おはよぉ~」
語尾にハートがつきそうなくらい甘ったるい声で喋るこの子もやはり、蓮のことが好きなのだ。
「おはよう来蘭」
ただこの子は鈴羽とは違い、私に協力してほしいとは頼まない。
まぁそれだけ蓮に振り向いてもらえる自信があるのだろう。
「最近美里と蓮様、一緒に登校してないけどぉ、喧嘩とかしちゃったのぉ?」
そうなのだ。あの日から私と蓮は一緒に登校していない。しかも今まで以上に女遊びが激しくなったんだとか。
「この間保健室にいったら如月蓮と女の声がした」
なんて聞くのはもう当たり前だ。
「喧嘩、はしてないと思うよ。」
「ふぅーん?」
来蘭は不思議そうに席へ戻っていった。