ふぁ~ぁ
あくびがでた。

カラオケにいたとき、途中寝てたんだけど、やっぱり眠いなぁ…………

学校に向かっていた。

そうだ。音楽聴こう。
鞄から青のウォークマンを出す。
イヤホンをして、音楽を流した。

唯一の楽しみな時間なのかもしれない。
この音楽を聴いているときが。

俺が聴く音楽の種類は、ビジュアル系。
いわゆる、V系というやつだ。
最近ハマっているバンドがあるのだ。

【gaiA】と【ダークネイル】というグループだ。

gaiAは、明るい曲が多いが、声と歌詞がいい。ボーカルのレウの音域の広さがすごいのだ。
ダークネイルは、まさにダーク。
全身真っ黒の衣装を着てる事が多い。低温の曲が多く、クールでかっこいいメンバーがたくさんいる。

両方同じ男と思えない格好良さ。

あんな風になりたい。

と思うが………無理だよな。

原石の時点で、きっとこういう人達とは、なにか違うのだろう。

誰かに言わなくとも、きっとそうだ。

『♪あなたの涙の溜めた横顔が とても美しく…………』
この曲は、gaiAの新曲の【夜の鏡】という曲だ。このPVも格好良く、レウの付けている5連のシルバーブレス。すごくオシャレだ。

俺もシルバーブレスレット買おうかな。。


そんなことを思っていると、学校に着いた。
あの変わった、零兎ってやつ。


靴を履き替え、自分の教室へ。

向かっていたが、零兎のことが気になった。


覗くだけ………


ちら。

あれ。いない。

すると、ひとりの女の子がやってきた。

『柚季君おはよ!誰か用事でもあるの??』

この子3組だよな。なんで俺の名前知ってんだ?

『いや……零兎ってやつにようがあって。』

一瞬女の子の顔が引きつったのがわかった。

『零兎君なら、お休みだよ。体調悪くて休むことが多いの。』
と落ち込んだように言う。

なんで今この子………一瞬…………


すると、女の子は小さな声で話し始めた。
『でも、柚季君。零兎君と仲良くならない方がいいよ。おとなしいし、静かだし、何考えてるか分からないもん。クラスでも目付けられてるし。柚季君も同じ目にあったら大変だし。』


引きつったのは、これか。

零兎と仲良くなるなってことか。


『そっか。休みか。ありがとう。』
あえて、最後に言った、目を付けられてることとかは、スルーした。

別にそんなことどうでもいい。

ただ気になる。ただそれだけ。
なぜか、休みだときいて、落ち込む自分がいる。
なんでだ。。

自分のクラスに入ると、
いつものように、俺の机に集まって、里居と加棚がしゃべっていた。