思えば、準斗くんと初めて出会ったのは、三か月前のあの日だった……。


 友達がなかなかできなくて悩んでいた私は、一人寂しく散歩をしていた。

 まだ二年生に進級してすぐの頃だ。
 当然、私はクラスでも一人だった。

 初めは仕方ないと思おうとしたが、心配性の私は、深く考え込んでしまっていた。

 どうせ友達なんて……。

 そんな暗い気持ちで、歩道を歩いていた。
 と、その時だった。

「あの、これ……、落としましたよ」

「えっ!?」

 後ろから声をかけられ慌てて振り向くと、そこには一人の男の子が立っていた。
 それが、今の準斗くんだ。

 準斗くんの手には、私のポケットに入っているはずの黄色いハンカチが、優しく握られていた。

「あっ、あっ、あのっ……」

 初対面の人と話すのは、いつだって緊張してしまう。
 何から言い出せばいいのかと、私は準斗くんとハンカチを交互に見た。

 すると準斗くんは、そこでにこっと笑った。

「さっきポケットから落ちましたよ」

「あっ……あ、ありがとうございます」

 私は恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら、ハンカチを受け取った。