えっ……これって、もしかして……。

 差し出された手を、じっと見つめる私。

 これ、手をつなごうって言われてるんだよね……? 私の思い違いじゃ、ないよね……?

 男の子との付き合いが少なすぎる私は、こういう時にどうしていいのか、さっぱり分からない。
 素直に手をとっていいのかな……?

 私がどうしていいのか迷っていると、

「穂乃果……? どうしたの、ほら早く」

 準斗くんが、伸ばした腕を軽く上下に振った。

 『早くてをつなごう』って、意味なのだろうか?

 いくらただの友達だといっても、相手は男の子。ドキドキしないわけがない。

 準斗くんはどう思ってるか分からないけど、私はすっごく緊張する。

 もしかして準斗くんは、男女で遊びに行く時は、手をつなぐのが普通だと思ってるのだろうか?

 だとしたらそれは、恋愛映画の見過ぎだと思うなぁ……。

 ……と、ここまで色々考えたけれど、ここで「手をつなぐのは嫌」って言うのは、準斗くんに失礼だし……。

 私はごくりと唾を飲み込み、準斗くんの手をとった。