時が経つのは意外にも早くて、八月一日。

 私は準斗くんと、近くの公園で待ち合わせをしていた。

 いつもより気合を入れて髪も整えたし、服も選んだ。

 なんでそうしようと思ったのかは、分からないけど……。

 準斗くんは、ただの男友達なのにね。

「まだかな……」

 期待に胸を弾ませながら、辺りを見回してみる。
 すると、

「穂乃果~」

 やや狭い歩道を小走りでこっちに近づいてくる、準斗くんが見えた。
 来た来た、待ってたよ~!

「準斗くん! こっちだよ~」

 私はいつもより大きく手を振りながら、準斗くんを呼んだ。

 なんかいいなぁ、こういう感じ。

 今までろくに友達と遊んだりしなかった私は、自然と感動していた。

 やがて準斗くんが私の元へとたどり着き、

「待たせてごめんね。行こうか」

 そう言って、すっと手を差し伸べてきた。