「ありがとな、奈子。」

ああ、終わっちゃうんだ。
そう思ったら涙は止まらなくて。

そんなあたしの頭をぽん、と一回撫でて歩き始めた優。

そして足を止めて振り向いた。
「オレ、NY行くことになったから。」

「えっ…」
じゃあな、とそれだけ言い残して喫茶店から出ていく優。