その時バスが来ているのが見えた。

「ほら。」
トン、と背中を押される。

「奈子?」

「行かなきゃ。間に合わなくなっちゃう。」
ニコッと笑う奈子は、優しく言った。


「本当は行かせるのを邪魔するつもりだった…。でも、やっぱり…望ちゃんも、優も…大好きだからさ。」